開業届はフリーランスも出すべき?書き方や申請の流れを知る

フリーランスになったら開業届は出すべきなのか、迷っている方は多いのではないでしょうか。フリーランスの方が開業届を提出しなくても罰則はありませんが、出しておいた方が税制面で優遇やメリットがあります。

確定申告が難しくなると考えがちですが、青色申告での確定申告について、今は自動的に計算することも可能です。
ここでは開業届の入手方法や書き方、申請の流れについて詳しく解説します。開業届を提出して社会的信用度を高めましょう。

この記事でわかること
  • 開業届の入手・提出方法がわかる
  • 開業届を出すメリットがわかる
  • 白色申告と青色申告の違いとメリット

フリーランスの開業届

フリーランスになると行政に届け出を出すのが開業届ですが、詳しく分からない方に開業届とは何なのかを解説します。
また出さなかったらどうなるのか、提出する上で知っておきたい注意点もまとめました。

開業届って何?

開業届は正式には個人事業の開業・廃業等届出書と言い、個人事業主になったことを税務署へ届ける手続きのことです。
会社員と違い、フリーランスは年間の所得を計算して確定申告を自分で行わなければなりません。所得税を納税するためにも開業届を提出する必要があります。

開業届はフリーランスも出すべき?

フリーランスの方が開業届を出さなくても、所得税を支払っていれば罰則等はありません。
開業届を出すタイミングは事業が開始されてから1か月以内と決められていますが、それ以上経過してからでも届け出ることは可能です。

ただし開業届を提出し、同時に青色申告の手続きをしてから確定申告をすれば様々なメリットがあります。そのためフリーランスの方は早めに開業届を提出した方が良いでしょう。

開業届と同時に青色申告承認申請書を提出しよう

開業届を提出しただけでは青色申告はできないので、開業届と同時に青色申告承認申請書を提出しましょう。
提出期限は新規開業した場合は開業後2か月以内(1月1日から15日の間は当年3月15日まで)と決められています。

開業届をこれから提出する、という方は合わせて青色申告承認申請書も提出すれば、再度税務署へ行かなくて済みます。身分証明書や印鑑など、必要な物はどちらもほとんど同じですので、手続きは一緒に行いましょう。

既に開業だけ済ませており、白色申告からの切り替えを行う場合は、青色申告をする年度の3月15日までとなっています。

フリーランスが開業届を出すメリット

フリーランスが開業届を提出するメリットはいくつかあります。
中でも主なメリットについて見てみましょう。

青色申告で確定申告ができ節税対策ができる

フリーランスは白色青色2種類の確定申告の方法が選択できますが、青色申告で提出することで、以下のような税制面で大きな優遇を受けられます。

  • 10万円・65万円の特別控除
  • 赤字を三年間繰り越せる
  • 家族の給料を経費にできる
  • 少額減価償却資産の特例が使える

簡易簿記の場合は10万円が、複式簿記で申告すれば65万円の所得控除が受けられます。基礎控除の48万円とプラスすると最大113万円の控除が受けられ、節税対策ができます。
また青色申告の方は、前年で出た赤字を今年に繰り越して相殺することができます。例えば前年で100万円の赤字が出て、今年で200万円の黒字が出れば相殺して今年の所得を100万円に減らして申告できます。

その他事業を手伝っている家族がいる場合、家族は青色申告事業専従者になり、給与を全額経費で申告できます。
また固定資産を耐用年数で減価償却する時10万円までだったのが、青色申告の方は特例が適用され30万円未満まで計上することができるようになります。

社会的信用が生まれる

フリーランスが開業届を出すことで、開業したことを認知され、そのことは社会的信用を得られることでもあります。
個人事業主と認められることで、事業用の屋号のついた銀行口座が作成出来たり、ビジネスカードも作成できます。融資を受ける際も、個人ではなく事業主として融資が受けられるのです。

小規模企業救済に加入できる

小規模企業救済とはフリーランスの方が老後のために積み立てる退職金のことで、開業届を提出していれば加入できる制度です。フリーランスは会社員とは違い退職金が出ないので、小規模企業救済が退職金の代わりになります。

掛金は所得控除の、また受け取る共済金は退職所得控除の対象になり節税対策もできます。

証明書の代わりになる

開業届の写しがあれば、融資の申し込みはもちろん子供の保育園や学童、事務所を借りる際に開業を行っているという証明書代わりになります。
フリーランスとして活躍するのにスムーズな手続きができるようになるのがメリットです。

フリーランスが開業届を出すデメリットはある?

このようにメリットの多い開業届ですが、デメリットについても見てみましょう。

青色申告の手続きについて

青色申告は複式簿記で申告しなければ65万円の控除は受けられません。複式簿記での記入は難しいですが、簿記の知識がなくても今は会計ソフトで簡単に記入できます。
ただし慣れないうちはデメリットだと感じる可能性はあるでしょう。

失業保険が受けられなくなる

個人事業主として開業を届け出た以上、失業者ではなくなるため失業保険は受けられません。
失業保険は就職活動を行う方への支援のため、開業届を出せば対象外になります。

扶養から外れる

フリーランスの方が扶養に入っていた場合、扶養控除の対象外になる場合があります。
開業届を出しても所得が少ない場合は税法上の扶養内のままでいられるケースもあります。しかし健康保険の場合、組合によって個人事業主は全て対象外とする所もあります。開業届を提出する前に、確認が必要です。

開業届の書き方や提出の流れ

開業届はいつ出すべきなのか分からない方にタイミングについて説明します。
また開業届の入手方法や書き方、提出方法の一連の流れについて見ていきましょう。

開業届を出すタイミングは?

先ほど説明した通り、開業届は開業から1か月以内と決められていますが、後から提出したとしても受理してもらえます。書類には開業した日を書く欄がありますが、開業した日や開業届を出した日、どちらでも構いません。

ただし提出するタイミングは年末で、年を越してしまうと前年分の青色申告ができず、白色で申告しなければならなくなります。
控除を受けられなくなるので注意しておきましょう。

また扶養の条件や失業手当の条件を見計らったタイミングで提出しても良いでしょう。

開業届の入手方法

開業届を入手する方法は2つあり、ひとつは最寄りの税務署の窓口で受け取る方法があります。
その他国税庁のサイトにはファイルが用意されているので、それをダウンロードして記入します。青色申告承認申請書についても、国税庁や税務署などのサイトから手に入れることができるので一緒にダウンロードしましょう。

記入するためには以下の物が必要なので、手元に置いておきましょう。

  • マイナンバー
  • 事業所の住所
  • 開業日が分かる書類
  • 印鑑

記入する項目が多いので、事前にこれらを用意しておくとスムーズに記入できます。

開業届の書き方

開業届には様々な項目があり、記入が必須な項目は次の通りです。

  • 納税する地の税務署名/提出日
  • 氏名/生年月日/個人番号
  • 職業
  • 屋号
  • 届出の区分
  • 所得の種類
  • 開業・廃業等日
  • 事業所を増設・移転・廃止した場合/法人の設立の場合
  • 事業の概要
  • 給与等の支払いの状況
  • 源泉所得税の申請書の提出の有無
  • 給与支払いの開始年月日

上記の中で注意したい点の一つが職業についてです。欄には特別の決まりがないので、第三者が見て分かる名称を記入しますが、業種によって個人事業税が3%~5%と異なります。

例えばデザイン系の仕事の方がデザイン業と記入すると課税対象になりますが、芸術家として提出すると非課税になる可能性があります。そのため事前に自分の業種の税率を確認しておくことが重要です。
また屋号については無い場合は空欄で良いです。

届け出の区分は開業ですから開業に丸をつけ、所得の種類は不動産と山林以外は事業所得に該当します。
新規開業であれば書かなくても良いですが、廃業の理由が移転や法人化するための場合は記入する部分が多くなります。

さらに青色申告の届け出を出していない方は、チェックを入れて青色申告承認申請書も一緒に提出しましょう。
他にも事業の概要を詳しく書く欄や、従業員を雇用する場合に書かなければならない部分があります。家族従業員やそれ以外の従業員を雇用する場合は、事前にチェックしておきましょう。

開業届の提出方法

PDFをダウンロードし、先ほど説明した項目を埋めたら後は提出するだけです。
提出方法は最寄りの税務署へ持参するか、郵送でも受け付けています。

持参する場合も郵送の場合も控えのコピー一部を用意し、また郵送の場合は返信用封筒を同封して郵送しましょう。これは開業届の写しが必要になる場面がある時に備えて、手元に残しておく必要があるからです。
税務署へ出向いて行うとなると手間がかかりますが、ダウンロードすることができるので便利です。開業届の記入は難しく思えますが、項目内容は意外と簡単に書けるものばかりです。

提出しなくても問題ないが…

フリーランスの方が開業届を出さなくても、何かしら罰則がある訳ではありません。
ただし開業届を出して、青色申告で確定申告を行うことで税制面での優遇が受けられます。そのため売上が伸びることを見越した節税対策を行いたいなら、開業届はフリーランスも出しておきましょう。

記入欄もそんなに難しくはないですが、漏れの無いように記入して提出することが大切です。職業欄の内容など書くのが難しい欄は、専門家に相談すると間違いがないでしょう。

まとめ

フリーランスの開業届についてまとめてきました。青色申告は税制面で有利になる点と開業届についても難しい手続きは特にないので、出しておいて損はありません。

続けて、確定申告について知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。